エネルギー変革への挑戦

電気事業を取り巻く環境は、将来のエネルギーミックスのあり方や、小売全面自由化・送配電部門の法的分離等の電力システム改革により、大きく変動する可能性があります。また、現在においては、経済性等の観点から化石エネルギーがエネルギー供給の大半を占めていますが、将来における枯渇が危惧されているほか、二酸化炭素の排出による地球温暖化の原因にもなっています。一方、再生可能エネルギーは、自然環境の中で無限に繰り返し利用することが可能であるとともに、クリーンなエネルギーであることから、エネルギーや環境問題の解決に大きく貢献するものです。

このような環境を踏まえ、ニシコーでは、経営の多角化や再生可能エネルギーの積極的な導入を推進を目的とし、天候の影響が少ない再生可能エネルギーである小水力発電の地点選定・調査・設計から施工・保守まで一貫した発電所の建設・運用を自社で取り組んでいます。

2015年に龍門滝発電所運転開始を皮切りに、2016年に中木庭発電所、2021年に稲葉発電所を運開させ、現在、諸塚ダム維持流量発電所を建設中で、2024年運開を目指しています。今後も引き続き次期地点候補地の情報収集を行い、積極的な開発を目指しています。

  • 龍門滝発電所

    旧春日寺発電所(昭和初期に稼動)地点で、龍門滝などを形成する独特の大地でできた落差や既設農業用水路を有効活用する発電所であります。

    龍門の滝
    網掛川に位置し高さ46m、幅43mの雄大な滝で「日本の滝百選」にも選ばれています。

    <龍門滝発電所諸元>
    最大出力:154kW
    最大使用水量:0.4m³/s
    有効落差:50.3m
    年間発生電力量:1,100MWh/年
    CO2削減効果:約660t-CO2/年
    営業運転開始:2015年6月24日

  • 中木庭発電所

    佐賀県では、既設の県営ダムにおける未利用エネルギーを有効活用するため、小水力発電事業者を公募しました(2013年7月)。この募集に対し、当社ニシコーは九州電力・九電工と連携し、連合体として応募しました。その結果、同年11月に事業者として特定を受け、正式に事業を担うこととなりました。


    <中木庭発電所諸元>
    最大出力:196kW
    最大使用水量:0.55m³/s
    有効落差:48.3m
    年間発生電力量:1,250MWh/年
    CO2削減効果:約750t-CO2/年
    営業運転開始:2016年4月1日

  • 稲葉発電所

    県営稲葉ダムにおける水力発電事業において、当社ニシコーは九州電力・九電工・九電みらいエナジーと連携し、連合体として事業に参画しました。その結果、2017年1月に事業者として正式に選定され、着実に準備と建設を進めてまいりました。



    <稲葉発電所諸元>
    最大出力:420kW
    最大使用水量:2.4㎥/s
    有効落差:21.7m
    年間発生電力量:2,860MWh/年
    CO2削減効果:約1,710t-CO2/年
    営業運転開始:2021年3月23日

FEASIBILITY STUDY SERVICE 小水力発電所可能性検討サービス

お客さま(自治体他)が小水力発電所を検討したい地点について、その可能性について委託検討を行います。その費用については、補助金を利用できます。
地点や条件によっては、建設~運用~メンテナンスまでのサービスが提供可能です。

サービスの特徴

  • 弊社ノウハウによる確度の高い検討

  • 水力発電によるCO2削減に貢献

  • 自治体の電力コスト削減につながる

  • 50kw未満は電源接続での制約は少ない

サービススキーム

SYSTEM 小水力発電の仕組み

小水力発電は、その設置場所と水の取り入れ方の違いから、主に「水路式」と「ダム式」の2種類に分類されます。
この2方式は、同じ「水の力」を利用しながらも、河川の水の流れ(流量)をそのまま活用するのか、貯水容量を確保して安定的に運用するのかという点で大きく異なります。