電力設備の土木構造物やそれらを取り巻く自然環境に関して、様々な調査・観測を実施し、
その結果をもとに、より安全で効率的な保守運用を実現するための設備改良や修繕に向けた調査設計を行っています。

河川流量調査

水力を原動力とする発電用の電気工作物(水力発電所など)を設備しているものに対して、国から指定された地点の流量を報告することが義務付けられています。
当社では、測水所で河川の水位や流速を定期的に測定し年間流量を算出するとともに、データ解析を行い、必要となる流量報告書(推移流量曲線図、流量曲線図等)を作成し、水力発電所の国への流量報告や新たな水力開発に活用しています。

河川流量調査フロー

  • 1. 流量調査 1.1. 水位測定 毎日の河川水位を水位記録計で収集し、データ解析の基礎資料とします。
  • 1.2. 流速測定 原則毎月3回以上の河川流速測定及び大雨による増水時に河川流速を測定し、幅広いデータを収集します。
  • 1.3. 河川横断測量 大雨などによる河川断面の変化を把握するため、定期的に河川の横断測量を実施します。

  • 2. データ解析 2.1. 水位測定 毎日の河川水位を水位記録計で収集し、データ解析の基礎資料とします。
  • 流量報告書作成

土木インフラ調査

インフラ設備の安全性と機能維持のため、土木に関する各種調査を実施しています。
現地の状況を把握し、必要に応じて改良・修繕・保全の方針を検討することで、災害リスクの低減と長寿命化を図ります。

  • 法面クラック調査

  • トンネルクラック調査

  • 地盤の原位置試験

小規模改良・修繕設計

発電所や変電所などの重要設備では、定期的な巡視点検を通じて異常や不具合を早期に発見することが欠かせません。当社では、点検で確認された課題や発電運用における改善点をもとに、詳細な調査・設計を行い、現場に最適な修繕・改良工事の方法を提案しています。

写真は外柵(フェンス)修繕後の様子

小水力発電開発設計

小水力発電の開発において、調査設計は事業の成否を左右する最も重要な工程です。
水資源の特性や地形条件を正確に把握し、最適な設備仕様を決定することで、安定した発電と長期的な運用が可能になります。
当社は長年にわたり水力設備の保守・診断を手掛けてきた経験を活かし、高精度な設計を行います。

  • 地点発掘・案件形成

    ◦机上調査(地形図・水資料・既存設備の確認など)
    ◦現地調査(流量・落差・アクセ性スなど)
    ◦候補地点の選定

  • 概略設計・基礎調査

    ◦取水位置、水路ルート、発電所位置の想定
    ◦取水量や落差の概算想定
    ◦事業性、採算性の初期評価

  • 流量調査・測量・地質調査

    ◦継続的な流量観測(季節変動の把握)
     ※近傍類似地質条件の測水所との相関確認
    ◦地形や水路ルートの測量や地質調査による施工性や基礎構造の把握

  • 基本設計

    ◦配管ルート、使用水量、有効落差の設定、水理計算
    ◦水車発電機の選定
    ◦年間発電電力量の予測と事業採算性の詳細検討

  • 詳細設計・許認可手続き

    ◦構造計算、設計図面作成、工事数量算出、工事費積算
    ◦電気事業法、河川法、その他関連法規の許認可対応
    ◦地元説明

当社の強みは、単なる設計にとどまらず、「運用後の保守性」まで見据えた総合的な視点です。
これにより、初期投資の最適化と長期的な安定稼働を両立させることができます。

  • 河川流量調査

  • 現地測量

  • 地質調査